日本は慢性的な介護士不足であり、その背景に高齢化社会の問題があります。人生100年時代の到来と言われる現代では、子どもが減って高齢者が増えているのが現実です。働き手が減っていることに加えて、高齢者が急増していれば介護士が不足するのは必然です。介護職という仕事は安定性があり、定年退職になるまで働くことができます。それにもかかわらず離職者が多いのは、収入への不満が大きな要因となっています。仕事の内容に対して給与が割に合わない、周りの同年代と比べて生活レベルが低い、将来に希望を持てない、などの悩みを抱えている介護士は多いでしょう。介護士の給与が低いのは、介護報酬の上限が決められている点が大きいです。
介助は全身を使って行うので、介護士の身体にかかる負担は大きいです。介護職に転職をしてから、腰痛や膝痛に悩まされるようになったという介護士もいます。また介護サービス利用者との人間関係のトラブルも発生しやすいです。心身に大きな負担がかかる仕事でありながら、給与が低いと割に合わないと感じてしまうわけです。収入が低いと生活基盤に直結し、過度の節約生活を強いられることになりかねません。生活費が足りない、貯金ができない、といった状況は精神的に大きな負担となります。収入の悩みがきっかけで仕事のやる気やモチベーションを維持できないという介護士は少なくないのです。お金の悩みは仕事や家庭、将来にまで影響する大きな問題です。